◆第11回JMACシンポジウム開催報告
第11回JMACシンポジウムは、「Hx: 実験動物代替からヒト機能に対する評価試験へ~ 生体模倣システムの最先端と標準化 ~」をテーマに開催し、講演者、関係者を含め約135名にご参加いただきました。
座長を、株式会社DNAチップ研究所の的場亮氏とJMACの中江裕樹事務局長が務め、バイオテクノロジーの中から昨今注目を集めているヒト機能を模倣するin vitroデバイス“MPS”を題材に、MPSに関わる分野の中でも第一線で活躍されている幅広い立場から、講演ならびに議論の場を提供するという目的を大きく果たせたものと思われます。
プログラムとしては、冒頭に経済産業省経済産業省商務・サービスグループ生物化学産業課幸寺玲奈様よりMPSにおける製品化戦略方針をご説明いただきました。MPSが国の方針としてどのように位置づけられているかが明確になりました。続いて、アカデミアを代表して安東治先生、酒井康行先生よりMPSの国内外動向や技術的特徴・課題についてご講演をいただきました。
後半は東京応化工業株式会社、住友ベークライト株式会社の2社より企業視点からみるMPSの実用化にむけたお話を具体的な事例を交えてご紹介いただきました。標準化活動の取り組みについて、会員企業である富士フィルム株式会社のご所属であり、かつ、ISO/TC 276国内委員会委員長を務めておられる河内氏より標準化の基本的な考え方及びMPSのための標準化活動、またJMAC事務局長中江よりJMACによるMPS標準化の活動報告が紹介されました。
4年ぶりに現地会場開催となった今回は、複数の参加者から質疑が出され、参加者と直接的な議論が交わされる活気に満ちたものとなったかと思われます。また、数多くの参加者からアンケート回答を頂戴しました。アンケート結果からは、開催目的とした「生体模倣システム(MPS)の技術開発の最先端と標準化の両面に焦点をあてた話題から、MPSの重要性、MPS実用化への動向を参加者とともに展望すること」に沿った内容となったことが、うかがえます。高度なMPSの標準化を考えるひとつのきっかけとなれば幸いです。
また、参加者からの反響は講演の先生方と共有しております。先生方の研究活動あるいは産業活動を社会還元に繋げるために、少しでもお役に立てていればと願っております。
おかげさまをもちまして、第11回JMACシンポジウムを無事終了することができました。ひとえに会員企業のみなさまならびに関係各位のご協力のおかげと、ここに感謝申し上げる次第です。
なお、ご講演の先生方よりご承諾を得られました順に、(一部の)ご講演資料および録画を公開いたします。お役立ていただければ幸いです。
2024年1月25日(木)
日比谷図書文化館にて現地開催
参加者数:117名(講演者、スタッフを含む135名)
■講演動画
こちらより視聴申込をお願いいたします。
(回答完了画面にて動画URLが表示されます)
よろしければ動画視聴後アンケートにご協力ください。
■録画視聴公開演題
(リンク共にある演題は資料をご覧いただけます)
『生体模倣システムを取り巻く現状と、製品化戦略について』
※資料の閲覧には、会員ログインが必要です
経済産業省 幸寺玲奈
『MPSを取り巻く国内外の現状』
※資料の閲覧には、会員ログインが必要です
筑波大学 安東治
『生理学的培養系構築における酸素供給の問題解決』
※資料の閲覧には、会員ログインが必要です
東京大学 酒井康行
『日本のMPSサプライヤーとなるため』
東京応化工業株式会社 吉岡孝広
『生体模倣システム(MPS)よる創薬研究への住友ベークライトの貢献』
※資料の閲覧には、会員ログインが必要です
住友ベークライト株式会社 相原大知
『細胞を中心とするMPSに関わる標準化動向(ISO/TC 276)』
※資料の閲覧には、会員ログインが必要です
一般社団法人再生医療イノベーションフォーラム/富士フィルム株式会社 河内幾生
『細胞とデバイスの融合技術:MPSの標準化』
JMAC事務局長兼研究部長 中江裕樹