ご挨拶
JMACは2007年にバイオチップコンソーシアムとして設立し、現在はバイオ計測技術コンソーシアムと名称を変更して、より広範囲なバイオ技術の産業化支援を目指し、バイオチップやその周辺技術だけでなく、最新のバイオテクノロジー、材料、情報や、それらを応用した医療、創薬、診断、食品、健康、その他ライフサイエンス関連製品など様々な領域の事業化に貢献するための活動を続けています。
JMACでは、設立当初から日本国内の企業間の連携を促進し、公正なルールで国際市場競争に挑めるよう、経済産業省の支援のもと、国際標準化や標準物質の整備に取り組み、産業促進・市場創出への貢献を目指してきました。すでに国際標準ISOでは8つの発行済みの規格開発に貢献し、現在も多くの分野の国際規格の開発にかかわっています。これら活動を継続することにより、国益や産業界の利益のため、バイオ分野産業における国際ルール形成や企業間連携を支援しています。
これまで、様々なバイオ計測装置の開発は欧米を中心に発展してきました。しかしその中身のデバイスや素材を調べると、日本国内で開発・製造されたものが数多く使われています。
バイオ関連産業はモノづくりだけでなく、様々な技術や施策を融合して成り立つ複合的な産業であり、システムとしてのコトづくりが非常に重要です。そのため、市場のグローバル化がますます進む現在において、市場拡大のためには世界共通の適切なルールの存在が不可欠であり、その中で国際標準化は最も重要な活動と考えています。
海外においては、企業が積極的に国際標準開発に参画し認証制度を活用することによってビジネスチャンスを拡大していくことが、企業戦略のひとつとして広く受け入れられています。一方、日本国内においては、標準化活動の重要性が一般的に受け入れられているとは言い難いのが現状です。
急速に拡大するバイオ関連市場においても同様に、国際標準の開発および認証体制の構築は、医療、食品検査、環境検査など様々な分野で進められています。
JMACではバイオ計測技術を用いた検査の精度管理に関する課題や必要な施策などを強く意識し、新しい測定技術に関する国際標準化活動、産業支援の取り組みを行ってまいります。
日本が生み出した優れた製品を世界市場へ届けるためにも、国際標準化活動を始めとする中長期的な視野での支援活動のもと、JMACはこれからもバイオ技術の産業化促進に貢献してまいります。
令和6年10月
バイオ計測技術コンソーシアム 会長 的場 亮(株式会社DNAチップ研究所)